和の慣用色名

中黄 ちゅうき

Web Color
#FFE500
RGB
R(赤): 255 G(緑): 229 B(青): 0
CMYK
C: 0.0 M: 10.2 Y: 100.0 K: 0.0
HSL
H: 53.9 S: 100.0 L: 50.0

「中黄」の由来と特徴

中黄(ちゅうき)は、明るく冴えた黄色を指す色の分類名であり、紅味や青味に偏らない、中間的な純粋な黄色を意味する日本の伝統色です。活力があり、陽光のような明るい色合いが特徴です。

由来

語源は、色相を分類する際の「中」と「黄」を組み合わせた言葉に由来します。これは、黄色の中でも、赤みが強い橙黄色(だいだいこうしょく)と、緑みが強い黄緑色(きみどりいろ)のちょうど中間に位置する、最も標準的で純粋な黄色を指すために用いられました。
古代日本では、黄色は太陽の色、黄金の色として、高貴で神聖な色とされ、権威の象徴でもありました。特に天子の衣の色(黄櫨染こうろぜんなど)は厳しく制限されました。中黄は、このような尊ばれた黄色の中でも、雑じりけの少ない、最も理想的な黄色の一つを指し示しています。

関連する文学的表現

中黄という色名は、特定の百人一首の歌に直接的に登場するわけではありません。しかし、その色が持つ明るさや輝きは、「黄金(こがね)」や「山吹(やまぶき)」の色として、和歌の中で豊かな実りや光、栄華を象徴する役割を果たしてきました。
特に、中黄のような澄んだ黄色は、春の終わりや秋の収穫期の自然の恵みを詠む際に連想されます。
山吹は かけのまゆよと 散りぬれど つつじの花は いま盛りなり(『拾遺和歌集』)
この歌で詠まれる山吹の花は、中黄に近い鮮やかな黄色です。中黄が象徴する明るく力強い輝きは、和歌が描く生命力に満ちた情景や、太陽の恵みといったイメージと深く結びついています。

色の特徴

中黄は、赤味も緑味も感じさせない、明度が高く、彩度の高い、冴えた明るい黄色です。
・伝統的な染色では、苅安(かりやす)や梔子(くちなし)といった植物から黄色い色素を抽出し、鉄分を含まない媒染剤を用いて、混じりけのない澄んだ黄色に発色させることで得られました。
・同系統の「鬱金色(うこんいろ)」がやや赤みを帯びた暖かみのある黄色なのに対し、中黄はよりニュートラルで、太陽の光に近い、純粋な色であることが特徴です。
・活力、希望、喜び、権威を象徴する色として、古くから親しまれています。