和の慣用色名
縹色 はなだいろ
- Web Color
- #267CA7
- RGB
- R(赤): 38 G(緑): 124 B(青): 167
- CMYK
- C: 77.2 M: 25.7 Y: 0.0 K: 34.5
- HSL
- H: 200.0 S: 62.9 L: 40.2
「縹色」の由来と特徴
縹色(はなだいろ)は、藍染めによって染められた、わずかに緑みを帯びた明るく澄んだ青色を指す日本の伝統色です。「花田」とも表記され、古代から続く藍色の基本とされる色です。
由来
語源は、藍染めの原料である藍草(あいぐさ)の花や、その花が咲く田畑(はなだ)から来たという説や、染め液の色から連想されたという説などがありますが、はっきりとした定説はありません。最も有力なのは、古くから藍染めに用いられてきた濃色(藍色)を「深花田(こきはなだ)」、中間色を「中花田(なかはなだ)」、薄色を「浅花田(あさはなだ)」と、色の濃淡の基準として使われてきたことに由来するというものです。
縹色は、藍染めの中で中間の濃さを示す色とされ、空の青さや海の色を連想させる、清らかで力強い青として、古代より日本人に親しまれてきました。その歴史は古く、平安時代には、衣の色を定める位階制度においても重要な色として扱われています。
百人一首との関連
縹色は、百人一首の歌そのものに色名として直接登場するわけではありません。しかし、その原料である藍染めは、色褪せにくいことから「変わらぬ愛」の象徴として、また深い青は憂いや情愛を込めた色として、和歌の世界で深く連想されてきました。
わが袖は 潮干(しおひ)に見えぬ 沖の石(おきのいし)の 人こそ知らね かわくまもなし(『後撰和歌集』、権中納言兼輔)
この歌は、沖の深い青い海に沈む石のように、人知れず涙で袖が乾く暇もないほど恋い慕っている心情を詠んでいます。縹色は、この深く澄んだ海の青や、遥かなる空の色を連想させ、和歌が持つ清澄な情景や秘めた想いを彩る色として、日本人の情緒と結びついています。
色の特徴
縹色は、緑みを帯びた明るい青で、紺色と浅葱色のちょうど中間あたりの濃さを持つ色です。
・伝統的な染色では、藍(あい)の染液に布を何度も浸し染める(浸染)ことで、濃淡を調整します。縹色は、**浅葱色(薄い青)**より濃く、**紺色(濃い青)**よりも薄い、鮮やかさが際立つ青色です。
・空や海を思わせる、清々しい印象を持つ色であり、時代や身分を問わず、広く人々に愛用されました。
・清明さ、誠実さ、知性を象徴する色として、現在でも和装や工芸品に多く用いられています。


