和の慣用色名
紅色 くれないいろ
- Web Color
- #C22047
- RGB
- R(赤): 194 G(緑): 32 B(青): 71
- CMYK
- C: 0.0 M: 83.5 Y: 63.4 K: 23.9
- HSL
- H: 345.6 S: 71.7 L: 44.3
「紅色」の由来と特徴
紅色(くれないいろ)は、主に紅花(べにばな)から抽出した染料で染められた、濃く鮮やかな赤色を指す日本の伝統色です。単に「紅(くれない)」とも呼ばれ、赤系統の色の基準とされてきました。
由来
語源は、染料である紅花が、古代に中国の呉(くれ)の国から渡来したことに由来すると言われています。紅花染めの技術が伝わった際、この染料を「呉藍(くれのあい)」と呼び、これが変化して「くれない」になったという説が有力です。
「紅」の字は、絹糸や布を染めることを意味する「糸」へんに、工芸技術を表す「工(たくみ)」、そして染料の原料である花を表す「艹(くさかんむり)」を組み合わせた字であるとされ、古くから手間ひまかけて染め出される貴重な色であったことを示しています。紅色は、紅花がもたらす純粋な赤の象徴であり、古来より女性の化粧や衣料に欠かせない、情熱的かつ高貴な色でした。
百人一首との関連
紅色は、百人一首に選ばれている多くの和歌において、美しさや情熱、血の色、あるいは女性の化粧を連想させる色として、間接的・象徴的に重要な役割を果たしています。特に「紅」という言葉は、愛や別れといった感情を表現する際に用いられます。
花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに(『古今和歌集』、小野小町)
この歌は、桜の紅い花の色が虚しく衰えてしまったことを、自身の美しさの衰えに重ねて詠んでいます。紅色は、このように時の流れや移ろいやすい美を対比させる際に、鮮やかな盛りの色として想像されました。また、「口紅(くちべに)」として、女性の美を象徴する色でもありました。
色の特徴
紅色は、黄色味や青味をほとんど含まない、非常に純粋で濃い赤色です。
・伝統的な染色では、紅花から採れる赤い色素(カルサミン)だけを慎重に抽出し、布を何度も何度も繰り返し染め重ねる(八塩やしお)ことで、深く、濁りけのない鮮烈な赤を実現します。
・同じ系統の「韓紅花色」が外国由来の特に濃い紅色を指すのに対し、紅色はこの紅花染めの純粋な濃赤色を指す総称であり、日本の伝統的な赤の最高位の色の一つとされています。


