和の慣用色名

鴇色 ときいろ

Web Color
#F5C9C6
RGB
R(赤): 245 G(緑): 201 B(青): 198
CMYK
C: 0.0 M: 18.0 Y: 19.2 K: 3.9
HSL
H: 3.8 S: 70.1 L: 86.9

「鴇色」の由来と特徴

鴇色(ときいろ)は、特別天然記念物である鴇(とき)の翼の裏側にみられる、淡く優美なピンク色を指す日本の伝統色です。繊細で柔らかな色合いが特徴です。

由来

語源は、鳥類の「鴇(トキ、学名:Nipponia nippon)」の羽の色に由来します。トキは本来、全身が白っぽい色をしていますが、繁殖期になると、首から分泌される褐色の分泌液を全身に塗りつけることで、羽の色が薄いピンク色(サーモンピンク)に変化します。
この優美で淡いピンク色が、特に平安時代以降、女性の装束や和菓子の色に好んで用いられ、「鴇色」として定着しました。漢字の「鴇」は、鳥へんに「時」と書きますが、これはトキが季節(時)によって羽の色を変えることに由来するとも言われます。

関連する文学的表現

鴇色は、特定の百人一首の歌に直接的に登場する色名ではありませんが、その淡く美しいピンクの色合いは、和歌で春の霞や桜の花の繊細な色、あるいは女性の頬の色を表現する際に、しばしば連想されました。
特に、鴇と同じく「鳥」にちなんだ色名である「薄紅(うすべに)」や「桜色」などとともに、優雅さや儚さ、春の訪れを象徴する色として、日本の古典文学や美術において重要な役割を果たしています。鴇の姿そのものが清らかで高貴なものとして扱われてきた歴史も、この色を特別なものとしています。

色の特徴

鴇色は、黄色みを帯びたごく淡いピンク色(サーモンピンク系)です。
・伝統的な染色では、紅花(べにばな)の色素を極めて薄く用いるか、茜(あかね)や蘇芳(すおう)の染料を微量に使うことで、この繊細な色を表現しました。
・同系統の色である「桃色(ももいろ)」と比べると、鴇色はやや黄色みがかっており、より白に近い、温かみのある淡い色であるのが特徴です。
・上品さ、優しさ、そして清廉な雰囲気をまとう色として、現代でも着物の色などに好まれています。