和の慣用色名

若葉色 わかばいろ

Web Color
#ABC88B
RGB
R(赤): 171 G(緑): 200 B(青): 139
CMYK
C: 14.5 M: 0.0 Y: 30.5 K: 21.6
HSL
H: 88.5 S: 35.7 L: 66.5

「若葉色」の由来と特徴

若葉色(わかばいろ)は、春から初夏にかけて芽吹く若葉のような、明るくみずみずしい黄緑色を指す日本の伝統色です。生き生きとした生命力や、清々しさを感じさせる色です。

由来

語源は、その名の通り「若葉」そのものの色に由来します。冬を越え、春の訪れとともに木々が芽吹き、展葉する際の、生まれたばかりの葉の色を表現したものです。
特に、新しい葉の持つ生命力、瑞々しさ、そして光を透かしたような透明感のある黄緑色を指します。万葉の時代から、日本人はこの季節の色の変化を愛で、様々な「緑」の色を言葉にしてきました。若葉色は、自然界の色の名がそのまま色名となった、極めて素朴で詩的な色名の一つです。
また、若々しさや未熟さ、初々しさといった象徴的な意味も持っています。

関連する文学的表現

若葉色は、特定の百人一首の歌に登場するわけではありませんが、「若葉」そのものが、日本の文学や和歌の中で春の終わりから夏の始まりを告げる季語として、古くから重要な役割を果たしてきました。
五月(さつき)待つ 花橘(はなたちばな)の 香(か)をかげば 昔の人の 袖(そで)の香ぞする(『古今和歌集』、詠み人知らず)
この歌は、「夏を待つ」と歌われるように、初夏の若葉が茂る頃に咲く橘の花の香りを嗅ぐことで、亡き人の思い出が蘇る情景を詠んでいます。若葉の季節は、光と香りが満ちる生命力に溢れた時間として、多くの和歌に彩りを添えています。

色の特徴

若葉色は、黄色を多く含んだ明るい緑色です。
・伝統的な染色では、苅安(かりやす)や梔子(くちなし)、楊梅(やまもも)といった植物の黄色系の染料と、藍の染料を掛け合わせることで、この鮮やかな黄緑色を表現しました。
・同じ「緑」でも、若葉色は夏の深い「青葉(あおば)」や、落ち着いた「常盤色(ときわいろ)」などと比べて、明度が高く、彩度も高いのが特徴です。
・生命の誕生や成長、希望を連想させる色として、現在でもデザインやファッションで好まれています。