和の慣用色名

勿忘草色 わすれなぐさいろ

Web Color
#7BBFEA
RGB
R(赤): 123 G(緑): 191 B(青): 234
CMYK
C: 47.4 M: 18.4 Y: 0.0 K: 8.2
HSL
H: 203.2 S: 72.5 L: 70.0

「勿忘草色」の由来と特徴

勿忘草色(わすれなぐさいろ)は、勿忘草(わすれなぐさ)の花の色のような、淡く優美な青紫色を指す日本の伝統色です。英語名「フォーゲット・ミー・ノット・ブルー(Forget-me-not blue)」としても知られています。

由来

語源は、その名の通り、ムラサキ科の植物である「勿忘草(わすれなぐさ)」の花の色に由来します。この花は、ヨーロッパ原産で、日本には明治時代以降に渡来しました。そのため、色名としては比較的新しい伝統色に含まれます。
勿忘草には、中世ドイツの悲恋物語にまつわる伝説があります。恋人同士がドナウ川のほとりを歩いていた際、騎士が岸辺に咲く美しい花を摘もうとして誤って川に落ちてしまいました。最後に恋人に向けて「私を忘れないで(Vergiss mein nicht!)」と叫びながら、その花を投げたという逸話から、この花に「勿忘草」という名が付けられました。
このロマンチックな伝説から、勿忘草色は「真実の愛」や「私を忘れないで」という花言葉とともに、ヨーロッパから日本に広まりました。

関連する文学的表現

勿忘草自体が明治以降に日本に広まった花であるため、百人一首や古今和歌集のような古典文学には登場しません。
しかし、その可憐な青い花と切ない花言葉は、近代以降の日本の詩歌や小説において、はかなくも強い愛情や、記憶の美しさを象徴するモチーフとして数多く取り上げられています。
また、青と紫の中間にあるその繊細な色合いは、春から初夏の清らかな空の色や、異国情緒を感じさせる色として、現代日本の色彩感覚に深く浸透しています。

色の特徴

勿忘草色は、水色(青)にわずかに紫みが加わったような、淡く穏やかな色合いです。
・薄い青紫色またはライトブルーに分類されます。
・同系統の「浅葱色(あさぎいろ)」が緑みを帯びた淡い青であるのに対し、勿忘草色は紫みが加わることで、より女性的で優雅な雰囲気を持ちます。
・儚さの中に強さを秘めた、記憶や愛のシンボルカラーとして、洋装や和装を問わず愛用されています。