ROMA
「永遠の都」ローマは約2800年の歴史が現代と共存する奇跡の都市だ。
コロッセオとフォロ・ロマーノは古代ローマ帝国の栄華を体感できる観光の起点で、
収容人数5万人を誇る円形闘技場の規模と保存状態は訪れる者を等しく圧倒する。
バチカン市国ではサン・ピエトロ大聖堂のクーポラからローマ全体を一望でき、
ミケランジェロが手がけたシスティーナ礼拝堂の天井画「天地創造」は実物の前で必ず言葉を失う。
古代遺跡とキリスト教文化が折り重なるこの地区だけで、軽く一日を費やすことができる。
遺跡を離れると、ローマはまた別の顔を見せる。
ナヴォーナ広場のベルニーニ作「四大河の噴水」、夜間ライトアップが美しいトレヴィの泉、スペイン広場など、
路地を曲がるたびに劇的な景観が現れる。トラステヴェレ地区は中世の面影を残す迷路状の路地にトラットリアが軒を連ね、
観光客と市民の生活が自然に交差するローマ随一の下町だ。
食ではカルボナーラ・カチョエペペ・アマトリチャーナのローマ三大パスタを堪能し、
夕暮れ時にはバールでエスプレッソを立ち飲みするのがローマ流の締め方である。
FIRENZE
コンパクトな旧市街に世界最高密度の芸術が凝縮したフィレンツェ。
ウフィツィ美術館ではボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」やダ・ヴィンチ初期作品が次々と現れ、
アカデミア美術館のミケランジェロ「ダヴィデ像」は写真では伝わらない迫力と繊細さで見る者を圧倒する。
ドゥオーモのクーポラはブルネレスキが設計した建築工学の奇跡で、463段を登り切った先には赤い屋根が続く絶景が広がる。
芸術と建築の密度においてこの街の右に出る都市は世界に存在しない。
美術館を出ると、フィレンツェはもう一つの顔を見せる。
夕日に照らされたヴェッキオ橋の美しさは格別で、
対岸のオルトラルノ地区には革・金・木の職人工房が今も残り伝統的な手仕事を間近に見学できる。
メディチ家ゆかりのピッティ宮殿とボーボリ庭園もぜひ立ち寄りたい。
食の筆頭はキアニーナ牛の炭火焼きステーキ、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ。
滞在の締めにはミケランジェロ広場から夕暮れの街を見渡し、ルネサンスの余韻をゆっくりと味わいたい。
VENEZIA
118の島々と400以上の橋で構成されるヴェネツィアは地球上に二つとない水の都市だ。
サン・マルコ広場はナポレオンが「世界で最も美しい広場」と称えた場所で、
ビザンツ様式の大聖堂と黄金のモザイクが訪れる者を圧倒する。
大運河沿いにはゴシック・ルネサンス・バロック各様式の宮殿が並び、
ヴァポレットの船上から眺めるだけで圧巻の建築美術館となる。
ドゥカーレ宮殿内のティントレット作巨大壁画はヴェネツィア共和国の栄光を今に伝える必見の傑作だ。
ヴェネツィアの楽しみは本島にとどまらない。
ムラーノ島のガラス工芸、ブラーノ島の原色の家並みとレース、発祥の地トルチェッロ島の静寂と、
それぞれ全く異なる表情を持つ島々が近くに点在する。
毎年2月のカーニバルは精巧な仮面と華麗な衣装で街全体が劇場と化す祭典で、
奇数年開催のビエンナーレは現代アートの国際的な発信地だ。
食ではイカ墨のリゾット、バッカラ・マンテカート、
そしてバールでチケッティをつまみながら立ち飲みするヴェネツィア独自の食文化が旅の記憶に深く刻まれる。